Pepsico(PEP)は買いか?10年来で最高の配当率!!

Summery

 

過去10年で最も高い配当率の水準にある46年連続増配企業

 

・ここ最近の配当率3.8%過去10年間で最高の配当率
・46年連続で増配を行っており、過去5年間の平均増配率は8.2%
2018年度は15.2%の増配率

株価は主力の米国飲料事業の不振を嫌気して大きく下落

 

・現在の株価は過去1年の最高額から-21.5%の水準
・2018年度第1四半期、主力の米国飲料事業の営業利益が前年比-23%減少
2017年第3四半期から北米飲料事業は3期連続の売上及び利益の減少

手堅い事業ポートフォリオだが横ばいのEPS

 

・利益の42%を占める北米食品事業が好調で3年間で平均6%の利益成長
・北米食品事業は北米飲食事業の約2倍の利益率
過去5年間のEPSはほぼ横ばいDividend Payout Ratioは上昇傾向
北米食品事業や米国外事業の状況によっては、増配率の低下リスクがある

 

 

連続増配企業としてのPepsico

 

世界第二位の食品・飲料メーカー

 

Pepsicoは世界第2位の売上高を誇る食品・飲料メーカーです。

代名詞であるペプシコーラは言わずもがな、ゲータレード、リプトンは日本でも馴染みのある方が多いのではないでしょうか。

Pepsicoというと飲料事業のイメージが強いですが、売上高では食品事業が53%、飲料事業が47%と食品事業が過半数を占めています。特筆すべきは、北米における食品事業であり、売上高では全体の25%程度ですが、営業利益では42%を占めており、同社の主力事業は北米における食品事業であると言えます。

とはいえ、営業利益のうち23%が北米における飲料事業によるものであり、飲料事業が同社にとって今だ重要な事業である事に変わりはありません。(なお、北米における飲料事業の売上高は全体の33%です。)

また、視点を変えて見ると、売上高のうち62%が北米、38%が北米外の諸外国と国際的に事業を展開する企業でもあります。営業利益では71%が北米、29%が北米外の諸外国となります。

(※2017年度決算)


(出典:PepsiCo Inc. 2017 Anual Report)

46年増配の実績

 

Pepsicoは46年連続で増配を行っている企業であり、過去3年間は平均で8.4%、過去5年間では平均で8.2%の増配を行っています。

2018年度の増配率は15%と高い増配率でした。

配当率3.8%は過去最高の水準

 

Pepsicoの配当率は現在3.8%を超えており、過去10年間で最高の水準にあります。連続増配銘柄への投資という意味では、数字として非常に魅力的な水準です。

 

Pepsicoの市場評価

 

 低迷する株価

 

Pepsicoの株価はここ最近下落の一途を辿っており、昨今の米国市場の回復とは裏腹に低迷しています。現在の株価は過去1年間の最高値から-20%と、大きく売られている状況です。

 

北米飲料事業の不振

 

株価低迷は、2018年度第1四半期の決算の不振に起因するところが大きいようです。

2018年度第1四半期は前年比3%のEPS成長率をみせたものの、同社の売上高の33%、営業利益の23%を占める北米飲料事業において、売上高が前年比-1%営業利益が前年比-23%と大きく落ち込みました。

この落ち込みの主因は、原材料費の高騰(-8%程度)と税制改革に伴う一時的なボーナス支払い(-8%程度)によるものと同社は発表しています。

また、2016年に米国の炭酸飲料水の消費量が31年振りに減少するなど、健康志向の高まりにより従来の主戦力製品に対して逆風が吹いていることと合わせて、本決算が投資家の心理に悪影響を与えているかもしれません。

加えて、ガイダンスはEPS、売上高ともにアナリスト予想を下回ったため、失望売りもありました。

なお、米国飲料事業の不振は2017年の第3四半期から3期連続であり北米飲料事業の不振をその他の事業(食品事業や海外事業)で挽回する展開が続いています。2018年から大手ファースト・チェーンのArby’sのソフトドリンク販売契約がCoca-Cola(KO)に切り替わることもあり、同社の北米飲料事業への逆風は暫く続くかもしれません。

生活必需品セクター全体が売られている

 

米国債金利の上昇局面では配当を目的とされることが多いセクターが売られる傾向があります。生活必需品セクターも例外ではなく、下げる展開が続いています。米国内の生活必需品セクターに投資するETF:VDCの株価をみると過去1年間の最高値から-14.6%と大きく下げており下降トレンドにあることが分かります。

同ETFの組み入れ上位銘柄の年初来高値からの下落率は次の通り、概ねバーゲンセール状態です。

ただし、VDCの指数には最近大きく値を下げたPhilip Morris (PM)やAltria Group (MO)も含まれている点は割り引いて考える必要はあります。

 

Pepsicoの今後の見通し

 

手堅い事業ポートフォリオ(躍進する食品事業)

 

北米飲料事業の不振にも関わらず、2018年度第1四半期は前年比3%のEPS成長率となり、EPS、売上ともにアナリスト予想を上回りました

これは北米食品事業(Frito-Lay North America)の好調によるものです。北米食品事業は過去3年間で売上は平均3%増、利益は平均6%と順調に伸びています。ブランド力がその強みであり、その売上の90%に当たる商品が、属するカテゴリーで市場シェア1位、2位を占める商品です。特に、 Salty Snacksでは上位7つのブランドを持つという強さを誇っています。

特筆すべきは北米食品事業の利益率は北米飲料事業の1.88倍であることであり、北米食品事業の躍進が北米飲料事業の不振を補う状況となっています。

 

 

横ばいのEPSと上昇傾向のDividend Payout Ratio

 

ここ5年間のEPSはほぼ横ばいでCFPSも2015年をピークに減少傾向にあります。2017年度のEPSは減税に伴う一時費用が発生しEPSが大きく下がっているので割り引いて考える必要はありますが、EPS観点では継続的に成長しているとは言いがたい状況です。

また、同社は2015年~2019年の5年間でコストダウンを行う施策をとていますが、今のところ営業利益率の向上は然程見られず、2018年、2019年の状況は注視する必要があるでしょう。

EPSが横ばいな一方で、高い増配率を継続しているため、Dividend Payout Ratioは上昇傾向にあります。2018年度も予想通りのEPSであれば2016年度と同程度となると考えられ、70%程度のDividend Payout Ratioになると思われます。これはやや高めの水準と言えます。

上述のように、北米食品事業が北米飲料事業の不振を補う展開が続いている一方、米国外事業はぶれが大きく、まだ安定成長とは言いがたいところがあります。北米食品事業や米国外事業の状況によっては、ここ数年のような大きな増配を行うことが難しくなる可能性が考えられます。ただし、同社の株主還元の意欲は強く、数年程度の不振であれば借入により乗り切るかもしれません。

EPSではなくOwner Earnings per Shareを見てみると、こちらは緩やかな上昇傾向にあります。しかし、Owner Earnings per Share基準のDividend Payout Ratioは上昇傾向にあり、2018年度は60%を超えてきます。高いとは言えませんが、Dividend Payout Ratioの上昇速度は注意すべきものがあります。

 

私見

Pepsicoが配当率3.8%で手に入る状況は垂涎ものではありますが、EPSとDividen Payout Ratioの傾向から、今後増配ペースが鈍る可能性がある点を考慮する必要があると考えます。北米飲料事業の不振をその他の事業で補えなくなれば、Procter & Gamble(PG)のように低い増配率が続くことになります。とはいえ、現在の配当率や増配率が自身の投資方針を満たすものであるならば、少なくともそのときが来るまではもっておいてよい株なのではないでしょうか。

 

※免責事項※
・当ブログの内容は筆者の調査に基づいておりますが、正当性を保証するものではありません。
・投資の最終的な決定は、ご自身の判断にてお願いいたします。

 


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